リサーチトピック
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【FIBER】Rode博士研究員、遠藤講師、杉本所長の研究が日本化学会誌Bull. Chem. Soc. Japanのselected paperに選ばれました
2015/07/24
先端生命工学研究所 RODE Ambadas博士研究員、遠藤講師、杉本所長の研究が、日本化学会誌Bull. Chem. Soc. Japanのselected paperに選ばれました。
リボスイッチと呼ばれる機能性のRNAは、細胞の中にある特定の代謝産物に応答して遺伝子の発現を調節します。
リボスイッチが機能するためには、その一部であるアプタマーと呼ばれる領域が複雑な高次構造を形成し、代謝産物と結合する必要があります。そのため、アプタマーの高次構造から、代謝産物との結合に重要な影響を及ぼす相互作用を見出すことができれば、リボスイッチの機能を合理的に改変する技術応用が期待されます。
先端生命工学研究所(FIBER)の杉本直己所長らの研究グループは、核酸の構造およびその安定性が、核酸の機能に与える影響について定量的な解析を進めてきました。
本研究では、フラビンモノヌクレオチド(FMN)という代謝産物と結合するアプタマー(FMNアプタマー)を対象に解析を行いました。まず、様々なFMNアプタマーの配列比較をすることで、高次構造の形成と、FMNとの結合に重要な役割を果たす相互作用を検討しました。次に、配列比較から得られた3つの分子内相互作用について、塩基の配列を系統的に変化させてFMNとの結合を速度論的に定量解析しました。その結果、高次構造の形成において中心的な役割を担うワトソン‐クリック型の塩基対ではなく、FMNが結合する領域の近傍に存在するグアニン同士の相互作用が、FMNと結合するために重要であることが見出されました。
本研究で得られた知見を基に、アプタマーの配列を合理的に設計したリボスイッチを構築することで、FMNによる遺伝子の発現応答を自在にコントロールできるようになるのではないかと期待されます。
A. B. Rode, T. Endoh, N. Sugimoto, Bull. Chem. Soc. Jpn. 2015, 88, 946-948.
http://www.journal.csj.jp/bcsj-article/bcsj-88-7-946