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【FIBER】杉本直己所長が「第72回日本化学会賞」を受賞されました

2020/09/01

このたび、先端生命工学研究所(FIBER)所長 杉本直己教授が2019年度の「日本化学会賞」を受賞しました。

日本化学会賞とは、化学の基礎または応用に関する貴重な研究をなし、その業績が特に優秀な日本化学会の会員に授与される最高位の賞です。杉本所長は、甲南大学で初めて本賞の受賞者として選定されました。

受賞:2019年度 第72回「日本化学会賞」  

受賞者:杉本 直己(甲南大学先端生命工学研究所 所長・教授)

 

◆受賞タイトル◆

分子クラウディング環境における非二重らせん核酸の化学


受賞理由

細胞は核酸(DNAやRNA)、タンパク質などの生体分子を細胞内環境で機能化させることで高度な生命活動を行っている。杉本直己氏は、細胞内の特殊な分子環境(例えば、分子クラウディング)が生体分子の機能化において重要な役割を担っているのではないかという独自の仮説の下で研究を遂行した。研究の結果、細胞内の重要な環境因子である分子クラウディングが、非二重らせん核酸の形成を誘起し、遺伝子発現を制御しているという新規の遺伝子発現調節機構を見出した。さらにこれらの成果を基に、非二重らせん核酸を標的とした新しい遺伝子発現制御法を開発し、世界の核酸化学を先導した。 このような業績により、同氏は分子クラウディング環境下における非二重らせん核酸の研究において、先駆的な研究を遂行する第一人者として国内外で認知されている。同氏の研究成果が報告されて以降、核酸化学分野の研究は大きく進展しており、核酸構造の生体内の役割を知るのみならず、核酸を用いた薬剤や機能性材料の開発など極めて多くの応用研究を同氏は先導してきた。さらに同氏の研究は、核酸化学分野だけでなく、医薬学・工学・農学などの研究分野へと波及し、社会的効果は極めて大きいと注目されている。よって、同氏の業績は日本化学会賞に値するものと認められた。

 

 

この度の受賞、おめでとうございます。

 

・2019年度の受賞者について

http://www.chemistry.or.jp/news/2019-26.html

・日本化学会

日本化学会とは、化学を中心とする多様な領域の研究者・技術者・教育者・学生が属する日本を代表する化学者の学会であり、約26,500人の会員を擁する。

日本化学会のHP http://www.chemistry.or.jp/