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【FIBER】第25回 International Round Table on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids(IRT2024)および日本核酸化学会第8回年会合同大会にて、Lutan Liu(FIBER博士研究員)がPoster awardを受賞しました

2024/09/12

このたび、先端生命工学研究所(FIBER)のLutan Liu(FIBER博士研究員)が第25回 International Round Table on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids(IRT2024)および日本核酸化学会第8回年会合同大会にてPoster awardを受賞しました。

International Round Table on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids(IRT)は、国際学術組織IS3NA(International Society for Nucleosides, Nucleotides, and Nucleic Acids)が主催し、2年おきに世界各国で開催される、核酸分野において世界で最も大規模で行われるシンポジウムの一つです。IRTでは優れたポスター発表を行った大学院生および博士研究員を表彰するPoster awardが設けられております。今回のIRT2024では、Liu博士研究員を含めた12名の研究者にPoster awardが授与されました。受賞内容は、下記のとおりです。

 

受賞:IRT2024 Poster Award
受賞者 :Lutan Liu(甲南大学FIBER博士研究員)
講演発表名:Elucidating the Role of Groove Hydration on Stability and Functions of Biased DNA Duplexes in Cell-Like Chemical Environments
Lutan Liu1, Saptarshi Ghosh1, Shuntaro Takahashi1,2, Tatsuya Ohyama1, Naoki Sugimoto1*
所属:1) Frontier Institute for Biomolecular Engineering Research (FIBER), Konan University, 2) Graduate School of Frontiers of Innovative Research in Science and Technology (FIRST), Konan University

研究概要:DNAは4種類の異なる塩基(アデニン:A、グアニン:G、シトシン:C、チミン:T)を含む直鎖状の分子で、塩基同士で(AとT、およびGとC)塩基対を組むことで二重らせんを形成します。本研究では、GCおよびAT塩基対で偏った二重らせんでは、二重らせん構造の溝へ水分子が結合(水和)する様式が異なることを見出しました。それにより、これまでDNA二重らせん構造の安定性予測がこれらの偏った塩基を有するDNAには適合できないことが明らかとなりました。そこで、新たに水和パラメーターを安定性予測モデルに組み込むことで、二重らせんの溝への水和効果を補正することに成功し、偏った塩基対を持つDNAの安定性の予測精度が向上しました。細胞内では、偏った塩基対はDNAの複製や転写といった生命の根幹となる反応の制御に極めて重要な働きを示します。したがって、今回の成果は、細胞の分裂や分化およびがん化などを遺伝子レベルでシミュレーションするための重要な知見となり、今後の医工学・創薬分野への貢献が期待できます。

FIBERでは、生命化学分野における研究開発を通じて、科学技術の振興と社会経済の発展に寄与してまいります。

この度の受賞、おめでとうございます。