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【FIBER】先端生命工学研究所杉本所長、建石助教らの研究成果が英国分析化学誌に掲載され表紙を飾り、6月24日付け日刊工業新聞朝刊で紹介されました

2015/06/25

このたび、先端生命工学研究所(FIBER)杉本直己所長と建石寿枝助教らの研究グループは、「水和イオン液体」という特殊な液体中で遺伝子変異の有無を、従来の1万倍の精度で検出可能なDNAセンサーの開発に成功しました。

これによりHIV(ヒト免疫不全ウイルス)などのDNA塩基の変異を、1万倍の感度で検出できることになりました。

本研究成果は、英国分析化学会誌「Analyst」に掲載され表紙を飾りました。また、6月24日付け日刊工業新聞朝刊でも紹介されました。

研究グループでは、水和イオン液体中では三重らせん構造が安定化することを注目しました。この安定化した三重らせん構造を利用すると、標的DNAを従来よりも1万倍の強さで認識できることがわかりました。また、これまでの検出法で問題であったヌクレアーゼ(核酸分解酵素)の混入による、DNAセンサーの感度低下を水和イオン液体中では完全に抑制できることも見出しました。本研究成果は、今後、遺伝子診断による個別医療を目指した、疾患関連遺伝子の検出にも活用できると期待されます。

先端生命工学研究所(FIBER)では、生命化学分野における研究成果を通じて、科学技術の振興と研究成果を通じた社会還元に寄与してまいります。

【用語解説】
1、「水和イオン液体」
イオン液体(100℃以下の融点を持つ塩)に少量(20wt%程度)の水を溶かした液体のこと。不揮発、不燃性の性質を持ち、Green Solventとして工業的、環境的観点から注目されている液体である。
杉本所長らの研究では、リン酸二水素型コリンの水和イオン液体を用いている。