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【FIBER】先端生命工学研究所の核酸の構造安定性予測に関する総説が英国王立化学学術誌「Chemistry Society of Reviews」掲載され、当該号の表紙に採択されました

2020/12/24

このたび、甲南大学先端生命工学研究所(FIBER)の杉本直己所長・教授と高橋俊太郎准教授が執筆した、分子夾雑環境における核酸構造の安定性予測に関する総説が英国王立化学会が発刊する「Chemistry Society of Reviews」誌の2020年12月7日号に掲載され、掲載号の表紙を飾りました。

新型コロナウイルス等のウイルス検査で行うPCR反応や、今年(2020年)のノーベル化学賞の対象となったゲノム編集技術では、核酸二重鎖などの構造形成の制御が重要です。核酸構造のできやすさ(構造安定性)は周囲の環境によって左右されるため、核酸を対象とする技術は100%成功しないというのが現状でした。これまで杉本教授らのグループは、核酸の構造安定性に対する溶液環境の影響を研究してきました。最近では医薬品添加物などとしても用いられる水溶性高分子であるポリエチレングリコールで調整した人工環境でDNA二重鎖のできやすさを解析しました。その結果、細胞内のような分子で混み合った環境(分子夾雑環境)におけるDNAの二重鎖のできやすさを予測することができる新しい予測法の開発に成功しています。

今回、杉本教授と高橋准教授はFIBERでこれまで発表してきた研究内容を含めた、核酸構造の安定性予測に関する研究と今後の展望をまとめた総説を英国王立化学会が発刊する「Chemistry Society of Reviews」誌に発表しました。本総説はその内容が高く評価され、掲載号の雑誌の表紙として取り上げられました。本誌は化学分野全般において優れた実績のある研究者による総説を発表しています。そのため、国際的な注目度が非常に高く、本誌のインパクトファクターは42.846 (2019年)であり、Nature誌(42.778)やScience誌(41.845)と勝るとも劣らぬほどほど重要視されています。FIBERの研究成果がこのような著名な雑誌に掲載されたことから、FIBERの核酸研究の国際的なプレゼンスが高まってきています。

【Chemistry Society of Reviews誌の掲載号】

・ Chemistry Society of Reviews誌へのリンクはこちらです。

・ 表紙絵のリンクはこちらです。

【掲載された論文】

Stability in Diverse Molecular Crowding ConditionStability prediction of canonical and non-canonical structures of nucleic acids in various molecular environments and cellss
S. Takahashi and N. Sugimoto, Chem. Soc. Rev., 49, 8439-8468 (2020)

先端生命工学研究所(FIBER)は、今後も生命化学分野における研究開発を通じて、科学技術の振興と研究成果を通じた社会還元に寄与してまいります。