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【FIBER】博士研究員 Chen Kun 氏が国際学会( ISNAC 2025) にて Outstanding Poster Award を受賞
2025/11/14
このたび先端生命工学研究所(FIBER)の博士研究員 Chen Kun(チェン・クン)氏が、2025年11月12日〜14日に富山市の富山国際会議場で開催された国際学会 ISNAC 2025(第52回 International Symposium on Nucleic Acids Chemistry/第9回 日本核酸化学会年会)において、Outstanding Poster Award(優秀ポスター賞)を受賞しました。
本研究は、FIBERで進められている 甲南新世紀戦略研究プロジェクト(第I期)(代表:建石寿枝准教授)の中核をなす研究テーマの一つです。本研究では、がんと正常細胞の環境の違いを活用した新しいDNAセンサーの設計法指針を示しました。本受賞は、甲南大学において推進されている研究プロジェクトが 世界的に重要な研究分野として認知されたことを示しています。
【発表内容】
発表タイトル:Designing Functional DNA Devices Using Cell-Specific Nearest-Neighbor Parameters
発表者 Kun Chen 、Hisae Tateishi-Karimata、 Shuntaro Takahashi、Tatsuya Ohyama, Naoki Sugimoto
所属 甲南大学先端生命工学研究所(FIBER),甲南大学フロンティアサイエンス研究科(FIRST)
【研究内容】
「細胞ごとに最適化されたDNAの設計 ― 機能性DNAデバイスの新しい可能性」
Chen 博士は、生命体の中で遺伝情報を保持しているDNA の特性を解析するとともに、がん細胞などの異常な細胞の中でだけ反応する“分子スイッチ”として、DNAを活用し、がんセンサーを設計する研究も行っています。本研究過程において、FIBERでは、同じ DNA でも、正常な細胞とがん細胞では環境が異なるため、その働き方も変わることを見出しました。Chen 氏は、細胞の内部環境を人工的に再現したFIBERオリジナルの技術である擬似細胞実験系(SHELL)を用いて、「どんな DNA 構造がどの細胞で最もよく働くのか」を明らかにしました。この成果により、将来的には、がん細胞の中だけで反応する“スマート DNA センサー”や“標的治療型 DNA デバイス”の開発につながることが期待されます。」
【学会について】
ISNAC(International Symposium on Nucleic Acids Chemistry)は、DNA・RNA など核酸化学の分野で世界的に権威のある国際会議です。2025年は富山市で開催され、国内外から多くの研究者・学生が集まり、活発な議論が行われました。Chen 氏の発表はその中でも特に独創性が高く、学術的完成度が優れているとして高く評価されました
本賞は、若手研究者による特に優れた発表に贈られるもので、国内外から集まった若手研究者の中から5名に授与されました。
https://web.apollon.nta.so.jp/isnac2025/




FIBERでは、生命化学・核酸化学分野における研究や若手研究者育成を通じて、科学技術の振興と社会経済の発展に寄与してまいります。
この度の受賞、おめでとうございます。