リサーチトピック

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【FIBER】建石寿枝講師、杉本直己所長らの研究成果が神戸新聞朝刊に掲載されました

2016/09/23

甲南大学先端生命工学研究所の杉本直己所長と建石寿枝講師の研究グループは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1の増幅に関わる逆転写反応を高い効率で阻害する技術を開発し、この度2016年9月17日付けの神戸新聞朝刊に掲載されました。
研究グループは人工のDNAをつかって、HIV-1のゲノムRNA上に四重らせん構造という特殊な構造を安定に形成させる技術を構築しました。四重らせんが形成されると逆転写反応の進行が阻害されるため、HIV-1をはじめとする種々のウイルスの阻害薬の開発に非常に有用です。この研究成果は、2016 年8月4日号の独国学術誌「ChemBioChem誌」に掲載され、表紙に取り上げられました。また、2016年8月17日付けの日刊工業新聞誌の第一面で紹介されております。本研究は東京工業大学金原数教授のグループとの共同研究です。

これまでの杉本所長らの研究において、このような四重らせん構造の形成・解離は、共存する溶質と四重らせん構造の相互作用によって制御可能であることを示唆する結果が得られていました。
本研究では、逆転写反応を標的としていますが、本研究により開発された安定な四重らせん構造を誘起する技術は、転写、翻訳、テロメア伸長反応の阻害などにも応用できます。そのため、本研究成果は、種々の反応が関わる疾患を標的とした薬剤の開発において非常に有用な知見と考えらえます(特許出願中、特願2015-95059、出願人:学校法人甲南学園)。