リサーチトピック
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【FIBER】先端生命工学研究所の核酸結合性分子の開発に関する国際共同研究論文が米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society誌」に掲載されました。
2021/10/08
甲南大学先端生命工学研究所の髙橋俊太郎准教授と杉本直己所長らの研究グループは、ヒト染色体DNA末端の四重らせん構造に強く結合する分子の設計技術を開発し、がん治療薬としての活用を目指した新しい化合物の開発に成功しました。この研究成果は、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」誌のオンライン版に掲載されました。なお、本研究は、九州工業大学、スロベニア国立NMRセンター、インドコルカタ大学および台湾中央研究院との国際共同研究で行われました。
がん細胞では寿命を司る染色体DNA末端のテロメア領域が異常に伸長されることで、不死化状態にあります。そのため、テロメアの伸長を抑える化合物の開発が、がんの薬剤開発として注目されています。本研究では、テロメアDNAが四重らせん構造を形成することに着目し、その四重らせんの巻き方の違いに対応して強く結合する分子を設計する手法を開発しました。その結果、初期に開発されたテロメア結合性化合物(TMPyP4)と比較して、100倍以上の効率でテロメアDNAの複製を阻害する化合物の開発に成功しました。当該方法を発展させ、四重らせん構造に強力に結合する化合物を合理的に開発することで、がん細胞を撲滅し、がんを治療する新規薬剤の開発ができると期待されます。
【研究成果の掲載号】
Journal of the American Chemical Society誌へのリンクはこちらです。
【掲載された論文】
“Chemical Modulation of DNA Replication along G-Quadruplex Based on Topology-Dependent Ligand Binding”
S. Takahashi, A. Kotar, H. Tateishi-Karimata, S. Bhowmik, Z.-F. Wang, T.-C. Chang, S. Sato, S. Takenaka, J. Plavec, N. Sugimoto, J. Am. Chem. Soc., (2021) in press
【プレスリリース】
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