リサーチトピック
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【FIBER】核酸医薬品やゲノム編集の効率を予測できる技術を開発し、中央ヨーロッパ研究基盤コンソーシアムから画期的な研究成果として、プレスリリースされました
2023/12/05
甲南大学先端生命工学研究所(FIBER)のDipanwita Banerjee博士研究員、建石寿枝准教授、杉本直己所長・教授らの研究グループは、スロベニア国立NMRセンターJanez Plavec教授らの研究グループと共同で、様々な疾患を標的とした核酸医薬の設計やゲノム編集の効率化に活用できるRNA/DNAハイブリッド二重鎖の細胞内安定性予測法を開発しました。本研究は、米国化学会誌である「J. Am. Chem. Soc誌」(IF1)= 16.383)に掲載されました。
本研究は、FIBER所長の杉本教授が、コーディネーターを務める日本学術振興会 研究拠点形成事業(令和4年〜8年)等の一環として研究が推進され、スロベニア国立NMRセンターPlavec教授はスロベニア側の研究機関の代表を務めています。スロベニアにおける研究は、中央ヨーロッパ研究基盤コンソーシアム2)の支援を受けております。本研究成果は、画期的な研究成果であるとして、同コンソーシアムからプレスリリースされています。
中央ヨーロッパ研究基盤コンソーシアムのプレスリリース
先端生命工学研究所(FIBER)は、今後も生命化学分野における研究開発を通じて、科学技術の振興と研究成果を通じた社会還元に寄与してまいります。
(掲載論文)
In-Cell Stability Prediction of RNA/DNA Hybrid Duplexes for Designing Oligonucleotides Aimed at Therapeutics
Dipanwita Banerjee, Hisae Tateishi-Karimata, Maria Toplishek, Tatsuya Ohyama, Saptarshi Ghosh, Shuntaro Takahashi, Marko Trajkovski, Janez Plavec, and Naoki Sugimoto*
- Am. Chem. Soc. 145, 23503–23518 (2023)
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.3c06706?ref=pdf
(用語解説)
・インパクトファクター(IF)
Journal Citation Reports(JCR)が毎年提供する自然科学・社会科学分野の学術雑誌(ジャーナル)の影響度を表す指標の一つ。値が高いほど影響度が高いことを示す。
・中央ヨーロッパ研究基盤コンソーシアム(Central European Research Infrastructure Consortium , CERIC))
CERICは欧州研究基盤コンソーシアム(European Research Infrastructure Consortium:ERIC)であり、エネルギー材料とライフサイエンスに重点を置き、材料、生体材料、ナノテクノロジーの全分野における科学と産業の発展を支援するために、欧州で最も先進的な分析施設を統合し、オープンアクセスを提供している。
研究支援
本研究は、本研究は文部科学省科学研究費補助金、特に科学研究費補助金基盤研究(S)(22H04975)、科学研究費補助金新学術領域研究(B)(21H05109)、日本学術振興会研究拠点形成事業(助成金番号: JPJSCCA20220005)、公益財団法人甲南学園平生太郎学術研究助成、一般財団法人 伊藤忠兵衛基金、Slovenian Research Agency (ARRS) Research Core Funding No.P1-242、助成金No. J1-1704、J3-7245およびJ7-9399、また、the Slovenian Ministry of Education, Science, and Sport(MESS)の日本・スロベニア研究協力プログラムの助成を受けて遂行されました。また、CERIC-ERICコンソーシアムの実験施設の利用の支援を受けました。